こんにちは 

コーディネーターの田村です!

10月に入り、すっかり秋らしくなってきましたね。

今回は、スケルトン天井とは何なのかまとめていきたいと思います。

まず…「スケルトン」とは?

「スケルトン」とは日本語で骨格。
建築用語としては建物の壁・柱・天井の骨組みをスケルトンと言います。
「スケルトン天井」とは、壁紙などの内装が施されていない、建物躯体のみの状態の天井のことを指します。
例えばこんな感じ。




 

弊社の施工事例でもよく登場します。
街中でもお洒落なショップや商業施設などでよく見かけますよね!

スケルトン天井は、構造体をそのままの状態で仕上げるため「コンクリート現し」や「躯体現し」ともいわれ、コンクリート造のマンションだからこそ実現できることの一つなのです。

こんな風に、あえて天井にクロス(壁紙)を貼らず、むき出しにすることで、お洒落な雰囲気が演出でき、
天井の内装や壁紙などが取り払われている分、天井高が高くなり開放感を持たせ、空間を広々と感じさせてくれます。

天井は床と同じく空間に占める面積が大きいので、人に与える印象もとても大きいものがあります。

むき出しのスケルトン天井と、クロスの貼られた天井、リノベーションならどちらもお選び頂けますよ!
(物件によりけり、ですが。)


「スケルトン天井をお選び頂けない場合がどんなときかというと…」

 

工事前は建物躯体の状態の天井が見えないので、どんな状態かわかりません。
工事に入ってからようやく確認ができます。
そのまま使える場合がほとんどですが…物件によってはあまり状態が良くないことも。
(逆に思っていたより綺麗!なんて場合もありますよ^^)

それからマンション工事の場合、そのマンションの規約によって制限されていることもあります。


スケルトン天井にすることで上階の配管にも影響が出る等の場合には、工事が許可されないこともあり得ます。
また、最上階の屋根裏には断熱材が施工されていることが多いので、取り払うことができず、構造むき出しにできなかったり・・・。

いくつか条件がありますが、これらをクリアすれば大抵は施工可能です。
(※後にも触れていますが、配線が天井裏にたくさんあるので、その処理をするのに時間と費用がかかったり、無骨な仕上がりとなることも想定して頂かなければいけません。)

工事が始まるまでわからない躯体の状態ですが、大工さんが書き残した何かの数字や、コンクリート同士の色の違いや模様など、人によって好みはあるかと思いますが唯一無二のお住まいの味ですよね(^^)


それではつづきまして、天井について少しだけ掘り下げたいと思います。



「直天井や、二重天井ってご存知でしょうか?」

 

パッと見ただけでは見た目は同じに見えますが、実はそれぞれ性質が異なっていて、
これらはスケルトン天井を選択するうえで密接な関係となっています。

それらが一体何なのか、説明していきますね!



ではまず、直天井(じかてんじょう)とは?

→天井に直接クロスなどを貼って天井にするものです。


 

天井裏の空間がとれないため、埋込み型の照明器具(ダウンライト等)には不向きです。仕上げ方法には吹き付けや、塗装等もあります。

これに対して、スラブ(コンクリート)との間に空間を設けるのが二重天井です。
(つまり、天井が二重なんです。)

 





天井から下に吊り金具などで骨組みを吊り下げ、その骨組みに天井ボードと壁紙を貼り付けて仕上げています。

天井の下に空間があり、その下に天井の仕上げ面がある構造なので二重天井とよばれています。

天井にそのままクロスを貼り付けたりする「直天井」と違い、二重天井は上階の床と天井面の間に空間ができ、その空間を電気や水道管などの配管スペースとして有効活用できるのが、大きなメリットです。こちらはダウンライトの埋込も可能ですよ。

 

「それではスケルトン天井のメリットやデメリットをまとめていきます。」

 

まずはメリットについて。

ひとつめに、開放感の確保ができます。

二重天井の場合に限り、スケルトン状態にすると天井高がドンと高くなるため、圧迫感が軽減され、お部屋全体に開放感を感じられます。天井が高いお部屋に憧れをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

新築一戸建てなどと違って高さを完全に自由に決められるわけではないですが、
スケルトン天井にすることである程度高さを確保することが出来ます。
(もともと直天井の場合は、それ以上天井を上げることができません。)

続いてふたつめに、デザイン性が高い
個人的にスケルトン天井を選ばれるお客様で一番多い選択理由がこれかなと思います。

コンクリートの色合いや雰囲気のデザイン性の高さもさることながら、他のいろいろな素材との組み合わせの相性もすごく良いのも魅力のひとつ。
色んなインテリアテイストが実現できます^^


「これに対して、注意点、デメリットもいくつかご紹介いたします。」

ひとつめに、空調の効率性が下がります。

スケルトン天井は、従来の設計に組み込まれていた温度調整を行う天井の石膏ボードクロスなどを取り外すため、冷暖房が効きにくくなり、空調の効率性が下がる可能性があります。
また、天井が高くなってしまうことから照明が暗く感じる可能性も。

それから、配線配管処理が難しいとも言われています。
スケルトン天井は天井が剥き出しになるため、配線配管を隠すことができず、管理や処理が難しくなります。
スケルトン天井を採用した広いオフィスとなると、配線や配管を目立たなくするため、ダクトデザインにもこだわる場合もあり、内装工事費用が高くなる可能性があります。

一般的なお住まいでしたらそこまで気にしなくても問題ありませんよ!


いいことばかりではないのが現実ですが…何事も一長一短があるものですよね。もしご自宅などでスケルトン天井をご検討される際は、ご不安に思う点や想いについてはご相談くださいね。

ではここで、

 

「弊社の施工事例のご紹介もさせていただきます。」

 

灯りの間(ま)|130

 

この方は、構造体剥き出しのスケルトン天井を切望されていましたが、もともとのお住まいでは不可能ということで、物件の売却と、スケルトン天井が叶う物件の購入、それからリノベーションまでお任せくださいました。

このお住まいはLDKはもちろん、廊下や玄関、寝室に至るまで全てスケルトン天井で、天井に壁紙の貼ってあるお部屋といえばトイレや脱衣所、お風呂くらいです。

ここまで徹底して構造むき出しにこだわったお部屋はどこを切り取ってもとにかくかっこいいですよね。

内装仕上げを決めていく際に、天井という大きな面積の納まりや、どんな雰囲気のお部屋にしたいかが初めから決まっていると、その他の床材や壁紙、建具、インテリアも格段に決まりやすくなります。

ナナメにリノベると|75




コンクリート素材ってどんな素材とも相性がいいんです。

このお住まいは天井、壁、床の一部がコンクリートで、インテリアは木質系が多くを占めていますが、なじみが良いですよね。コンクリートの無機質と木の温かみの組み合わせ、お好きな方も多いのではないでしょうか。

その他にもアイアンやステンレスともばっちり合います。

因みにこのお住まいは寝室もアクセントの青が効いていてめちゃくちゃ素敵な仕上がりとなっていますね!

 


 

こんな風に印象強いアクセントカラーとも相性抜群!

40代までに中古買ってリノベする|138


 

こちらは見てわかる通り、一部分は二重天井、その他の部分はスケルトン天井です。
こんなこともできますよ。

キッチンエリアを小上がりにして、更にその真上の天井部分も二重天井にしています。
キッチン上部には配線や配管が多いので、こういった仕上がりは常套手段なんですが、かっこいいですよね。

たくさんの素材をふんだんに使用されていますが、まとまりのある空間に仕上がっています。

サスティナブルにスマートハウス|109

このお住まいは天井だけでなく、実は壁もクロスをあえて貼っていません!(めくったまんま)

 


 

いい雰囲気ですよね。

こちらの写真は玄関横の土間スペースです。装飾を足すのではなく、引き算のデザインを心掛けられたそう。壁紙のはぎ方次第で面白いニュアンスができます。


NEW DAYSのOnion Chair(玉葱型の椅子)が良く映えますね。

 

では、

「最後に私の好きなスケルトン天井をご紹介いたします。」



弊社のインテリアショップ、いえの具店の天井です。


 

業務用エアコンが完全にむき出しの状態で、照明類は全てダクトレールに取り付けられていますね。

こちらのお店、2021年に建て替え、SE構法を用いて弊社のスタッフが設計した自慢のお店なんです。(SE構法とは…ものすごく簡単に言うと、鉄骨造と木造のハイブリッド!です。)

このブログを書くにあたり当時のブログを読み返していたのですが、剥き出しの梁などについて、私のお気に入りポイントを代弁してくれる一文があったのでそのまま引用しますね。

「たっぷりと外の光が入ってくるので日に焼けた部分が、経年変化していくところも見所です^^
スタッフ立花より ”ビンテージのように、年々味わいが出てくる” と。素敵。」

以上、スケルトン天井についてのお話でした。

 

自宅の天井をむき出しにしてみたい!
そんな思いのある方は、是非弊社のリノベーション相談にお越しくださいませ。
様々な思いを受け止めさせていただきます。

コチラ→リノベーション相談予約