5月25日(日)マンションリノベ後の住まい見学会 IN大阪市中央区 6月9日(日) リノベの基礎講座&リノベコーディネーター資格セミナー 

【 天神橋本店(レタス/いえの具)】10:30-19:00(不定休)

MENU

5月25日(日)マンションリノベ後の住まい見学会 IN大阪市中央区 6月9日(日) リノベの基礎講座&リノベコーディネーター資格セミナー 

【 天神橋本店(レタス/いえの具)】10:30-19:00(不定休)

断熱でシームレスにつながる|150

OUTLINE

所在地
大阪府
築年数
46年
面積
56.9㎡
工事費
1,400万円
工期
80日

※工事費・価格は施工当時の価格となります

DESCRIPTION

『この街が好き』。共働きのY様ご夫婦は、お互いの通勤と暮らしのバランスを考えて賃貸での暮らしをスタートさせました。慣れ親しんだご近所にいつしか惚れこみ、いつか手狭になって手放すかもしれないことを考慮しつつ、周辺でリノベを前提とした中古マンション探しをするようになります。

どちらも住宅関係のお仕事に従事されているY様ご夫婦。当初は新耐震、旧耐震基準への見解で意見が分かれていました。旧耐震基準でもOKな奥様は「旧耐震でも、管理状況が良ければ大丈夫。100世帯以上ある規模のマンションなら修繕積立金も潤沢で安心。外壁の塗装工事の実施もコンクリートの保護につながる」と、「新耐震のマンション派」の旦那さまを説きふせます。
旧耐震も視野に入れて、探すこと1年。ようやく内覧にたどり着いた物件は、バルコニーからの景色の抜け感がないため見送り。次に以前から「いいな」と思っているけれど、予算オーバーだった物件。先に内覧されていた方が、価格交渉に応じてもらえることになったとの情報を得て、Y様も内覧してみることに。結局その方は購入には至らず、Y様ご夫婦が購入することになりました。「実は、私は購入前に同行できなかったのですが、妻が良いと思うならここだろうと、判断をおまかせしました」と、旦那さま。あきらめない気持ちは運をたぐり寄せ、感性の信頼がいち早い判断につながりました。

プランニングは、室内の断熱性能を高めることを起点に始まります。1978年生まれのこのマンションは断熱材が入っておらず、熱が入りやすく、逃げやすい状態でした。バルコニー側と廊下側の壁面に断熱材を入れ、窓の内側にはインナーサッシを設置。断熱性能は7段階中4と、国が定める省エネ基準を達成できるほどに向上しました。そのおかげで、寒くなりがちな北側に位置する玄関まわりを、居室として取り込むことができるようになります。壁や建具を極力少なくし、エアコン1台で室内全体の空間を、心地よい温度にキープ。少しお仕事のできる空間、収納、クローゼット、洗面所がシームレスにつながります。
空間として独立させることの多い寝室も、LDKと一体化。ベッドまわりに腰壁を作るか迷ったものの、パーテーションのみに。これだけでも充分空間が区切られていますね。このパーテーションはなんと移動可能とのこと。「家族が増えた時に、LDKのどこかに部屋を新設しようと思っています。壁や建具、造作家具がないことで、自由度が増しますね。今を大事にしつつ、未来へは柔軟に可変できる空間にしています」。
「壁と窓の断熱」はデザイン面でも、心地よさをもたらしてくれます。マンションには付き物の梁と柱の凹凸。断熱材を入れることによって、壁をふかすことになり、梁と柱をの面を均一にすることができます。面と面が生むキリリとした直角と白い色が、剥き出しのコンクリートのラフさを引き締めます。

「私と夫の動線がかぶることが無くなりました」と、奥様。リノベーションでの断熱施工は、室内温度を快適にし、省エネによる長期的なコストを抑えるだけでなく、壁や建具が少なくなることで、空間にゆとりをもたらします。まずは目に見えない部分を整えることで、日常のストレスも軽減され、仕事も余暇も全力で楽しめる暮らしとなりました。

STAFF

キッチンは幅の狭い2列型を選択。将来的にアイランド部分にダイニングテーブルを隣接させる可能性も踏まえてのこと。床はフロアタイルではなく磁器タイル。キッチンには色を入れず、壁面のタイルと床面の素材感で空間を彩ります。「キッチンツールや食器、インテリアも気に入ったものだけを選んでいるので、インテリアとしてそれだけで充分だと考えています」。引き算の美しさですね。アイランドと冷蔵庫の位置関係が絶妙で、買ってきた物を冷蔵庫に収納するのも楽々です。パントリーにはカーテン等の目隠しは無し。でも、意外と気になりません。キッチンでこだわったのは食洗機。造作キッチンでは、どんな食洗機をビルトインするのかも選べます。ご夫婦が選んだのは、日本のものよりも静音・節水仕様なBOSCH。ベッドが同じ空間にあるため、遅い時間の作動音が気になるところですが安眠できるとのこと。シンプルに美しく、機能的な空間です。シンプルさを追求してドアクローザーも設置を見送りました。

キッチンと寝室をやんわりと区切るパーテーション。ガラスのように見えるのは、ツインカーボというバルコニーの屋根などに使用される素材です。ガラスよりお手頃なので、透過性のある目隠しには、使い勝手の良い素材ですね。ここでも上手に引き算します。

LDKから玄関へ、建具やカーテンなど、空間の区切り無しで通り抜けできるクローゼット。ラウンド型腰壁の内側は充電スペース。電子機器を集約させる場所を作ることで、コードで部屋が雑然としてしまうのを防ぎます。この腰壁部分は漆喰仕上げ。武骨なコンクリート剥き出しの空間にに、ラウンドの形状、漆喰の素材感でやわらかさを加えます。全体に使用している壁紙はエコフリースという、パルプなどの自然素材を主原料としたもの。一見すると、塗りのようにも見える風合いで、塩ビのクロスにはない高い通気性と透湿性をそなえ、カビや結露の発生を抑制します。機能的にスグレモノである上に、経年劣化の場合は貼り替えるのではなく、上から新なエコクロスの重ね貼りが可能。ゴミを生まない、エコな壁紙です。

居室が取り込まれた玄関。靴収納は床から浮いたように見えるフロートタイプに。床が広がって見え、空間に伸びやかさをもたらします。天板は傷が付きにくいメラミンを使用。家具っぽく見せるために、小口は木にしてすっきりと美しく。建具、収納部分で使用されているラワンベニヤは、木工所にてあえて選んだフシが入っているもの。フシの曲線美がたおやかさを空間にもたらします。床材はサクラの無垢フローリング。木目の色の変化幅が大きく、引き算されたシンプルな空間にスパイスを加えます。アールを描いた上がり框は無垢フローリングの切りっぱなし。見切り材を入れないことですっきりとした仕上がりに。

ため息が出るほど、均整の取れた美しい洗面所。バルコニー側と同じく、廊下側の壁も断熱材を施工。ふかした状態で梁を隠し柱と面を揃え、アールで天井と壁をつなぎます。円弧の陰影は光が差し込むことでいっそう際立ちます。タイルは天井から床まで敷き詰めて、ラインを揃えて。目地はテラコッタ色を使用、ツヤ消しの清廉なブラックのタイルと組み合わせると、ブロンズ色のようにも見える品格です。

洗面所の反対側は、収納、クローゼットとつながります。玄関入ってすぐの収納は、趣味のキャンプ用品を。一角は、お仕事柄、休日も電話を受けることが多い、Y様ご夫婦の「電話スペース」としてちょこっと仕事ができる空間に。アールの始まりと棚の高さを揃えて。武骨さを包むような柔らかさと、繊細さの同居した空間です。

トイレはアクセントクロスではなく、タイルを使用。目地を入れずに、タイルを敷き詰めているので、お手入れの不安がありませんね。タイルの見切りとして棚板を設置しています。

よーく見てください。お風呂の床をそのまま拡大したかのような、オリジナルの床なんです。規格サイズのフロアタイルを切断し、太めの目地棒を使用しています。こじんまりした空間ですが、遊びゴコロがあって、毎日出入りするのが楽しくなりますね。

&Standardの資料はこちら