
WORKS
パーテーション越しの好きな世界|163
OUTLINE
- 所在地
- 大阪府
- 築年数
- 23年
- 面積
- 70.00㎡
- 工事費
- 910万円
- 工期
- 75日

※工事費・価格は施工当時の価格となります

DESCRIPTION
4人家族のY様、娘さんが個室を希望されたのを期に、新しい住まいを探し始めます。条件の1つ目は学校区を変えない。2つ目は娘さん、息子さんそれぞれの個室を設けられる広さ。いくつか内覧したうち、心が惹かれたのは、玄関を入って左右に住居が広がるマンション。2方向からの光に恵まれる住まいです。購入を決めた時点では、具体的な生活のイメージは沸いていなかったものの、リノベーション相談をしたシンプルハウスが提案した、キッチンが玄関の真正面に移動する、予想外のプランに心を掴まれます。廊下がなく空間を最大限「暮らすこと」に使えるプランです。
Y様が今回のリノベーションで叶えたかったことは、「脱ナチュラル」。以前も他社様でリノベーションしたお住まいでしたが、初めてのリノベーションで右も左も分からず、ナチュラルな感じになってしまったことに後悔があったそう。今回はお手持ちのヴィンテージ家具やインテリアに合う、とことん好きな空間を目指します。Y様のお好みは○○風という言葉が当てはまらない、Y様独自の世界観。物を買う時はたくさんの情報を咀嚼した上で、イメージを作り上げていくのだそう。今回はLDKに重点的に手を入れ、寝室や子供部屋はクロス張り替えと、建具の変更のみ。かける費用にメリハリをつけます。
ベランダ側に位置していたキッチンは住まいの中心に移動。どの部屋とも距離感が近く、家族の気配を感じやすくなりました。元キッチンだった場所はパーテーションでLDKと区切ったフリールームに。どこかに入れたかったというこのパーテーション、建具というよりは薄い壁を目指して制作しました。パーテーション越しに見える壁面のリブ材のまたカッコイイこと!これもまた、Y様が使用したかった素材の1つです。
「物を買うときのストライクゾーンが狭いようで、広いよね」。と語るのは旦那さまの物選びを、ずっとそばで見守ってきた奥さま。「これじゃなきゃダメというのはないけれど、好きと思えるものはたくさんあります。買うまでも楽しいし、好きなものに囲まれているのがしあわせ。好きなものが、ごちゃごちゃしているのがいいんです。」好きなものを探しているときの、旦那さまのきらきらとした気持ち。その気持ちは物として、空間として、内装として、家族の時間を照らしてくれることでしょう。家族誰かの笑顔は、みんなの笑顔につながります。
STAFF

キッチンは当初からステンレス製と決め、「重厚感がなくシンプルなもの」を選ばれたY様。そんな基準の中にも「普通じゃない、みんなが選ばないもの」というこだわりが光るのが、個性際立つ大きな水栓です。床はパーケットフロアと黒いフロアタイルの組み合わせに。キッチンとダイニング、リビングと空間を区切ります。ダクトレールは多めに設置。照明はもちろんのこと、インテリアや植物などを天井から吊るしたい時に、場所の選択肢が増えますね。

キッチンからつながるのは、クローゼットも兼ねた収納。さらにその先はご夫婦と息子さんの寝室へとつながります。「キッチンが中心にあるので、家族を見渡せるのがいいですね。収納を通して、息子がまだ寝てるな~というのも分かります。前はキッチンと玄関が離れていたので、『行ってらっしゃい』を離れた場所から言っていたけれど、今は近くで言えるのもいいですね」と奥さま。

キッチンからの眺めが絵になり過ぎるフリールーム。現在はここで音楽を聴いたり、洗濯物を畳んだり。ゆくゆくは息子さんの部屋になる予定だそう。「冬はこたつを置くのもいいな、子どもたちが旅立ったら広いLDKにしようかな」。心の赴くままに、どんなことをしようか楽しみが広がるスペースです。用途を決めておかなくても、暮らしと未来に広がりをもたらしてくれますね。

まさしく壁のように薄い3枚の建具が横一線に並ぶ、オリジナルパーテーション。引き戸のように重なる部分がないため、すっきり、キリリとした佇まいです。実は、予算との兼ね合いと重量の懸念から、プランナーからの素材提案はガラスではなく曇りがかったプラスチックでした。1週間後の打合せでスッキリしない表情のY様を見て、プランナーが開口一番「ガラスにしましょっか」。「高くなっても、重くなっても、やっぱりガラスにしたい」その思いが優先されました。

LDKとゆるやかにつながる洗面所は建具無し、室内窓のある壁で軽く仕切るのみです。実は洗面所のスペースはリノベーション前よりも狭くなっているのですが、境界をあいまいにすることで、広さを感じさせるようになっています。シンプルに白のワントーンでまとめました。

個性的な壁紙が印象的なトイレ。Y様が壁紙専門店に出向き、探して来られたものです。「この壁紙は店舗に販売したことはあるけれど、個人で購入される方は初めて」とお店の方。特殊な手刷り印刷で、お値段も相応だったそうですが、「LDKとは全然違う世界にしたい」との思いから、躊躇なく購入。予算オーバーでしたが、作りたい世界を作れたことに後悔はないそう。

「玄関からの景色が最高。帰ってきたときに、『うわー、カッコイイな』と思いますね」と、嬉しそうな旦那さま。「アールの開口部をどこかに入れたいし、玄関入ってすぐにキッチンが目に入るのがいい」とのことで、玄関とLDKを建具のないアールの開口部がつなぎます。玄関框もゆるやかなアールに。

玄関のブラケットはY様が購入されたものを設置。どこにどんな照明を設置するのかまで叶うのがリノベーションです。壁と天井を照らすやわらかな光のしずくが、空間を彩ります。